役立つ資格のこと、勉強法について
介護職の役割の項目でお話ししましたが、「誰でも始められる仕事だけど、誰でも続けられる仕事ではない」ということです。
介護の専門性を高める為にも資格取得は必須です。
私はお酒が好きなので、お酒で例え話しをします。
あなたはレストランで食事をし、食事に合うワインを注文したいとします。
そんな時、「ウエイター」からおススメをきくのと、「ソムリエ」からおススメをきくのと、どちらか選べるとしたらどちらを選びますか?
多くの方が後者を選ぶのではないでしょうか?
ソムリエの資格が無くともワインをおススメすることはできますが、ソムリエの資格をもった方ならば専門的な知識・技術があるので、おススメされたワインは期待値も込めて美味しく感じそうですよね。
※ソムリエは国家資格ではありませんが・・・・
介護の仕事も同じように考えられます。
あなたが介護を受ける立場だとしたら、「無資格者」と「有資格者」どちらの介護を受けたいですか??
多くの方が有資格者を選ぶと思います。
そして、有資格者を優先的に採用すると事業所も存在します。
やはり、一定の知識と技術の証明になる資格取得は、介護業界で働こうとしているあなたには必須なのです!
ここでは介護の資格、介護キャリアパスについてお話しします。
①資格を取って介護士の専門性を高めよう!
【介護職員初任者研修】について
まず手始めに撮っていただきたい資格が「介護職員初任者研修」です。
介護職員初任者研修とは、旧制度の「ホームヘルパー2 級」にあたる資格のことです。
介護現場において必要となる基本的知識や技術を学ぶもので、介護福祉士を目指す方や自宅で介護する方のための入門的資格になります。
介護初任者研修の受講カリキュラムは130時間(10項目)と決められています。
この130時間を通学講座のみで行うか、通信講座と通学講座を組み合わせて受講するか学校によって違うので、選ぶことができます。
※通信だけで取得することはできません
スケジュールによって、最短1ヶ月~4ヶ月で取得することができます。
研修内容ですが、例えば、介護保険制度のことや、高齢者の尊厳、ボディメカニクスといった介護で必要な知識をスクール形式で講義します。
その後、実際に生徒同士で介護体験をし合います。
車椅子やベッドへの移動移乗、お着替え、オムツ交換、食事の介助の仕方など介護現場で行われていることを練習します。
介護福祉士に初めて触れる方が研修にくることを想定して作っている研修なので、安心して受講できます。
多くの方が未経験、または介護経験数ヶ月で受講するケースが多いです。
何も知らないで介護現場に入るより、学んで入ることで余裕も生まれ、最初から介護に集中できます。
初任者研修は実務者研修資格と違い、介護福祉士取得に絶対必要な資格ではありません。
とはいえ、介護の基礎をしっかりと教える研修なので、最も介護業界で重要視されている資格と言っても過言ではありません。
※実務者研修を取得する際に、介護職員初任者研修を取得している方は、130時間分の授業が免除される資格でもあります。
もちろん、この資格が無いとできない仕事もあります。
訪問介護(自宅で生活されている方の元へ訪問する介護)をやりたい方は、この資格が無いと身体介助はできないので必ず取る必要があります。
学校選びのポイントとして、
「自分のスケジュールに合う日程が組まれているか?」
「やむ得ない理由で欠席する場合どのような対処をとっているか?」
「資格取得後もスキルアップのためのサポートはあるか?」
など確認しておくと良いでしょう。
「でも…資格取得にお金が掛かるでしょ?」
そんな声もよく聞かれますが、大丈夫です!!
東京都社会福祉協議会では介護業界で働きたいあなたを支援する「資格取得支援事業」を行っています。
これから現在介護職でない方が都内の介護事業所で働きたい場合に、無料で利用できる制度です。
また各市区町村で資格の助成を行っている自治体もありますので、ご自身が働きたいと思っている自治体にどんな制度があるかは要チェックです。
とはいえどちらも都や市区町村にしっかり確認して利用してください。
また就職してから研修受講料を払ってくれる事業所もありますので、見学の時に聞いてみるのもいいでしょう。
【実務者研修】について
平成28年度から介護福祉士国家試験が変わり、これまでの実務経験3年以上という条件に加えて、新たに実務者研修の修了が受験資格の必須条件となりました。
「実務者研修」は、より質の高い介護サービスを提供するために、実践的な知識と技術の習得を目的としています。現場経験だけでは習得しきれない知識や技術、介護職員として働くうえで必要な介護過程の展開や認知症などについて習得する機会とし、介護の専門家として生涯働き続けるためのスキルを磨くことを目的としています。
また、実務者研修を合格すると、介護福祉士国家試験への受験資格を得られることだけでなく、サービス提供責任者になれる権利も取得可能となります。
現場からも求められるサービス提供責任者になるためには、実務者研修の修了か介護福祉士の資格が必須となります。
無資格・未経験の方でも取得可能な資格ですが、介護職員初任者研修と比べてもより高度な内容を学ぶので学習の難易度が高くなっていますので、まずは介護職員初任者研修の取得をお勧めしています。
実務者研修の研修時間は450時間。しっかりと学んでいただきます。
すでに介護系の資格を取得されている方は、その内容によって研修時間が短縮されます。
最短2ヶ月~6ヶ月で取得することができます。
実務者研修にも通学講座と、通信講座と通学講座を組み合わせた講座があります。
※通信だけで取得することはできません
通学は、「介護過程Ⅲ」と「医療的ケア」の2つの授業に分けられます。
学校によってカリキュラム内容は様々です。
例えば、我がむさし介護アカデミーでは、介護過程Ⅲは、根拠のある介護ができるように徹底的に考える授業を行っています。
内容もさることながら、通学日数も違うので、要注意です。
特に、介護職が初めて経験することの多い医療的ケアは2日の通学はあった方がいいでしょう。
この辺りもしっかりと学校に確認するといいでしょう。
最後に。
実務者研修にも東京都の公的制度があり、「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」があります。
介護福祉士になった後、2年間東京都の介護事業所で働けば返還免除となり、実質無料で受講できます。
とても素晴らしい制度ですが、少し細かな条件などがございますので、この制度を東京都で1番利用している「むさし介護アカデミー」に相談することをお勧めします。
【介護キャリアパスについて】
介護士のキャリアパスはご存じですか?
現在介護の資格は整理され、「初任者研修」➡「実務者研修」➡「介護福祉士(国家資格)」➡「認定介護福祉士(仮)」とキャリアパスが明確になっています。
介護福祉士に対しての加算も後押しし、資格ごとに待遇に差がでています。
資格はいわば、介護士としてのレベルを証明する免許証なのです。
どんなに優れた知識、技術があっても所属している組織が代われば、必然的に資格の有無で一定の能力を判断します。
また経験年数が長くても、上位資格を取らずに働いていたとしたら「向上心が無い人」と判断されてしまうかもしれません。
キャリアパスは資格制度だけではなく、各組織ごとに導入され始めています。
介護の世界も年功序列は衰退し、介護士としての価値を高められた方に対し、待遇の差別化がなされてきています。
より良い待遇、より良い環境で仕事をする為にも、介護士としての価値を高めること(ブランディング)が必要不可欠と言えるでしょう。
勘違いしないでほしいのは、介護キャリアパスに載っている資格だけが介護の資格ではありません。あくまで上位資格取得までのプロセスなのです。
上記の資格の他にレクリエーション・認知症・介護旅行等、様々な資格があります。
自分の得意や興味を活かして次のステップに進める介護士が、これからは求められていく時代になるでしょう。
あなたの得意を見つけ、専門的な知識・技術を学び介護の専門性を伸ばすスキルアップをしていきませんか??
もしもっと詳しく知りたかったら、私が所属する「むさし介護アカデミー」までご相談ください。
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むさし介護アカデミー
講師
原彰宏